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Borderline(3)
 私がもっとカルテを見ていれば……
責任に一端は私にもあります。
ほんのちょっとの油断が、大事になるなんて……
世の中はいつも不条理で、できてる気がするわ。

事件NO3358
証言NO058
調書の一部より抜粋

「うーん・・・・・・」
スバルがモニタを前に頭を抱えていた。
前回の任務の報告書を書いているのだが、デスクワークの苦手なスバルは手が動いているよりも、頭を抱えているほうが多い。
「ティアぁ・・・・・・」
隣で同じように書いているティアナに助けを求める。
「それくらい自分でやりなさい」
素っ気ない態度で断わった。そういうティアナはもうほんど終わっている。こういうことについては、ティアナは得意なのだ。
「ねぇ、ティアぁ」
スバルは立ち上がると、ティアナの後ろから覆い被さる。
「ちょっと、スバル」
 スバルの重みで、ティアナが少しだけ前のめりになる。
「……?」
押しつけられた胸の柔らかさを肩で感じていた。
胸からかすかなスバルの体温を感じていた。
かすかなスバルの匂いを感じていた。
今私はスバルの……
「どうしたの?」
 固まったままのティアナに、不思議に思ったスバルが話かける。
「な、なんでも無いわよ。ちょっと報告書こっちによこしなさい」
「ありがとうー、ティア」
ニコニコしながら、ティアナの端末に報告書を送る。
「あんた、さっぱり出来てないじゃい」
と、ガガガっとキーを打ち込んでさっさと終わらせてしまう。
「さすがティア、大好きだよ」
また同じように、ティアナに抱きつく。
「まったくあんたって子は・・・・・・」
「あれ、どうしたのティア。なんとなく顔が赤いけど……」
「なんでもないわよ!」
声を荒げるティアナにスバルが疑問に思う。首をかしげたまま、ティアナの顔をずっと見ていた。
「本当になんでもないわよ、ちょっと暑いだけだよ。あ、汗もかいてきたし、シャワー浴びてくるわ」
と、かなり慌てて立ち上がるとシャワー室の方に向かった。
「ふぅ……」
いつもより冷たいシャワーを浴びながら、ティアナはため息をついた。
あの任務の後、何かがおかしい。
ティアナはなんとなくではあるが、自分の何かがおかしくなっていることを自覚していた。
自分の中で何が熱くなり、何かを溶かしている。
そんな感覚がずっとティアナを襲っていた。ただ任務後にシャマル先生の定期健診でも、体の異常はなかった。
「なんだろう……これ」
だがやっぱり何かがおかしい、任務後にただ精神が高揚しているだけなのだろうか。
シャワーを止めて、両手を壁について床を見る。
垂れ下がった髪から、静がぽたりぽたりと落ちていた。
それをじっと眺めた後、何を振り切るように体を起こしてシャワールームを出た。
バスタオルを巻いたところで、スバルが目の前に現れる。
「あ、スバル?」
「わたしも、シャワー浴びてすっきりしようと思って」
と行き成り目の前の服を脱ぎ始める。
Tシャツと長けの短いジーパンだったので、あっという間に素っ裸になった。
「ちょっとあんた、もう少し恥じらいってものねぇ」
「別にいいじゃん、女の子同士なんだし」
「まったく……」
と何はとも無しにティアナの視線がスバルの裸体に行く。
無駄の無いボディライン、健康美というのがぴったりなのかもしれない。
「ティア、どいてくれないと入れないんだけど……」
「あ、ごめん」
ティアナが道を開けると、その脇をすっと通りに抜ける。
わずかにスバルの匂いが鼻先を掠めた。
「私、いったいどうしたんだろう」
答えはでるはずもなかった。

   ***

「さてと・・・・・・」
シャマルが自分の医務室で、カルテを整理していた。
事件後のため大量に発生した怪我人のカルテに、埋もれている。いくら整理しても終わる気配はなかったりする。
「ふぅ」
ため息をつこうと、眼前のカルテの山は消えるわけではない。
「よしっと」
 気合を入れなおして、整理を再開。
「これは後回しねぇ」
 さきほど診断した、スバルとティアナのカルテを後回しにする。本当であれば、カルテを見直して再度検査を行うのが規則なのだ。だが、それよりももっと早急に始末しなければならないカルテがある。
 ただ今回に限り、この判断は間違っていた。

弐師 | - | 22:59 | comments(38) | trackbacks(0) | pookmark |
Borderline(2)
異変に気が付かなかった
いや、気付けなかった
私は……パートナー失格だ

事件NO3358
証言NO052
調書の一部より抜粋


それは一瞬の出来事だった。
スバルとティアナは、任務のために重要物資の護送中だった。重要物資は何かとは伝えられず、各部署や部隊から集められた混成部隊での移動中だった。
全行程の半分ぐらいを過ぎたころに、それは起きた。
爆発だったのかは分からない。
ただ衝撃波がティアナやスバル、他の局員や護送車を全てをなぎ払っていた。
「痛たた……いったい何が起こったのよ」
ティアナはとりあえず立ち上がって状況の確認に努める。
倒れて呻いている局員と、横転した護送車が目に入ってくる。ただ敵と思われるような影も、これだけの衝撃を起こしたと思われる原因も見つからない。
「痛かったぁ……」
「スバル、大丈夫?」
足元に倒れたスバルをティアナが抱き起こす。
「怪我は無いよ、一体何が起こったの?」
「さぁ私にも分からないわ。とりあえずスバルは局員の手当てと、辺りを探索してみて。敵がいるかもしれないし。私は護送車の方を確認してくわ」
「うん、了解」
そういうとスバルはさっと離れていく。
「さて、私は」
ティアナは護送車に近づく。
護送車の後方部の扉は壊れており、半分開いた扉から中が見えていた。スバルはその間をすり抜けて中に入る。
「なにこれ」
 中は空っぽだった。だが何かあった痕跡はある。
 何があったのか……
 何が起こったのか……
「かはっ。何、これ」
 ティアナは急激に訪れる、息苦しさに驚いた。方膝をついてその場にうずくまる。
それだけではない。
込み上げて来る胸の熱さ。
たぶん、自分の体に何かが起きている。
だがそれも数十秒ほどの出来事で、急に苦しさが収まった。胸が少し熱いと思うだけで、もうなんとも無い。
ティアナはとりあえず護送車の外へ出る。それを見て、スバルがさっと駆け寄ってきた。
「隊長が呼んでるよ」
「あ、うん……」
「あと本部から応援が来るって話になったみたいだけど、それで……どうかしたティア?」
 なんとなく様子のおかしいティアの顔を覗き込む。
 顔はなんとなく赤く、目もトロンとしている。それより何より任務中、いつものピリっとした緊張感がティアナから感じられない。
「なんでもないわ、指示に従って行動して。呼んでるなら早く行かないと」
「う、うん」
 そういうとティアナはスバルの元から離れていく。どこと無く魂が抜けたように、ふらふらと歩いているように見えた。
「ティア……?」
「ナカジマ一等陸士」
 別の隊員から呼ばれる。
「は、はい」
 スバルは呼ばれた方に走っていく。ティアナのことを気にしながら……
 
こうして物語はゆっくりとそして確実に転がりはじめた……
弐師 | - | 20:44 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
Borderline (1)
  積み上げるのは永遠で……

壊れるのは一瞬で……

 

事件NO3358

証拠物件NO21

被害者兼加害者の日記より

 

 

「はい、今日の訓練はここまで。みんなお疲れさん」

なのはの元気の良い声が、宿舎横の芝生上から聞こえてくる。

「おつかれですぅ……」

なのはとは逆に消え入りそうに、スバル、ティアナ以下六課の面々が答える。

「明日もいつもの時間に、それじゃあ解散」

「はぁ〜い」

スバルたちは、のろのろと宿舎の方に帰っていく。

さながら、ゾンビの群れのようだ。

「ふぅ……」

「相変わらず、厳しいな。お前の訓練は」

後ろから現れたヴィータが、よっと挨拶をする。

「あ、ヴィータちゃん」

なのはも振り向いて挨拶をする。

「もう少し緩くしてもいいんじゃないか? 事件も終わって、そんなに日も過ぎてないだろ」

「それもそうだけど、教えることは一杯あるし。訓練期間もあまり残ってないし……」

「本当に教育ママだな、ヴィヴィオがぐれないか心配だ」

ヴィータがニヤニヤとなのはを覗き込む。

「もう、ヴィータちゃんったら」

なのはも笑う。

まだ、あの事件の傷跡は消えない。それでも今日は平和だった。

「ヴィータちゃん、何か用事があったんじゃないの?」

「おっと、そうだった。はやてが呼んでる、隊長室で待ってるって」

「じゃあ、早く行かないと」

「そうだな」

二人は隊長室に向かうために、六課の建物に入っていく。

建物内は通行止めや、工事中の場所があちこちに見受けられる。あの事件の傷跡は表面上も癒えてはいないのだ。ましては心の傷は……

少しだけ遠回りして、二人ははやての居る隊長室の前にたどり着く。

「入るぜ」

ヴィータがノックもせずに部屋に入る。

「ちょっと、いきなりは」

なのはも後ろに続いて入る。

「うるせー、いいんだよ私とはやての仲だ」

「でもね、親しき仲にも礼儀ありだよ」

「入ってくるなりケンカか? ふたりとも」

隊長室に備え付けられてる席に座って、はやてが会話に割ってはいる。

「ケンカもええけど、うちの用件が終わってからにしてな」

なんとなく、トゲのある言い方が二人に刺さる。

あまり機嫌はよくないらしい。

「お、おう」

「はい……」

二人はすごすごとはやての前に行く。

「さっそく用件なんやけどな、重要物資の護送で人を貸してくれって頼まれててなぁ」

「重要物資?」

「何かまでは教えてはくれへんかったけど、相当大事なものらしいわ。他の部隊にも人員貸し出しの要請とかしとった見たいやし」

「ったく何でこんな時期に、偉い人たちは何を考えてるんだか」

ヴィータが毒を吐く。

「たしかに、こんな混乱も収まらない時期に」

人員の補強、施設の復旧どれをとっても回復をしているとは言いがたい。そんな状況で需要物資の輸送など、出来る状態ではないのだ。

「それはそうなんやけどな。保管してる施設も被害を受けて、警備やなんやらの理由で移動するしかなくなったらしんよ。でも人手が足りんってことで、お鉢がこっちにも回ってきたわけや。ほんまこの時期に困るわぁ」

はぁっとため息をついた。

はやての顔から、疲れの色が見える。

「少し休んだら、はやてちゃん」

「そうも言ってらんって、やることは山済みや。それで話は戻るんやけど、派遣する人数は二人なんや。それで人選をお願いしたいんやけど」

「ならあたしが行くぜ」

ヴィータが立候補する。

「それはだめや、隊長格がここを離れるわけにはいかんのよ。危険は無いやろうけど、上の方は大分臆病になってるからな。手元に戦力は残して置きたいとか、色々と言い出すやろ。そやから、なのはちゃんが行くのも却下や」

「そうすると、スバルとティアナかな……」

少し考えた後、なのはが答える。

「そうだな、エリオとキャロじゃちょっと不安だしな」

「それでいこ、じゃあ後のことは任せてもええか? その他細かい情報はレイジングハートに送っとくから」

「うん、わかった。じゃあ早速はじめるね。ヴィータちゃんも手伝って」

「おう」

「ほな頼むわ」

そういうと二人はそそくさと隊長室から出る。

「なのは、お前も相当疲れてるんじゃないのか? 寝てねーんだろ?」

「あははは、わかったちゃった?」

笑って誤魔化そうとする。

「あんまり顔色よくねーし、まだはやてほどじゃないけどな。でも無茶はよくねーぞ」

「分かってるんだけどね、でも……」

「もう少し、私に頼ったていいんだぜ」

「うん……ヴィータちゃんは優しいね」

「う、うるせー」

ヴィータが照れる。

それを見てなのはも笑っていた。

色々あるとはいえ平和だった……

今のところは……
弐師 | - | 22:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
油断大敵
「すか〜」
八神家の居間でヴィータが寝ていた。
テレビの前で大事の字になって、高々と寝息を立てている。
下は固い床なのだが、それがヒンヤリしてて気持ちいらしい。
お腹の辺りのTシャツがはだけておへそが丸見え、さらにスカートも少しめくれて縞パンが顔を出している。
本当に無防備な状態だ。
「本当に寝てるですねぇ」
リインがふよふよと浮いて現れる。
試しにほっぺたを突付く。
ぷにぷにと、気持ちのよい手触りだ。
「すか〜すか〜」
だが起きる気配はまったくない。
ふとリインは、床にマジックが落ちてるに気が付いた。
「あ、そうです」
それを見て、リインがニヤリと笑う。
リインが狂気とも言えるマジック(黒)、しかも油性を拾った。
「ふふふ、こうしてやるです」
身の丈ほどあるマジックを抱えて、キャップを抜く。
そしてヴィータの鼻の周りに丸と、猫ひげを付け足す。
「うまく旨く出来たです」
思いのほか傑作になった落書きを見て満足する。
するとリインはマジックを床に置くと、どっかに行ってしまった。
そして暫くして、シグナムが現れる。
「ヴィータ、寝てるの……プッ」
ヴィータの顔を見て、思わず噴出してしまう。
「これは、不意打ちだ。ん?」
足元にマジックが当たった。
シグナムはマジックを拾って暫く考える。
何かを思い立ったか、キュポンっとマジックのキャップをあける。
そしてヴィータの額に三日月の模様を書く。
まるで、どっかの侍のようだ。
「うむ、これでいいだろう」
そう言うと、マジックを床においてシグナムもどっかに行ってしまう。
「ヴィータちゃん、寝て……」
今度はシャマルが現れた。
そしてヴィータの顔を見るなり、笑い必死に堪える。
やはり反応は誰も同じらしい。
「こ、これは」
だが我慢できず、シャマルが大笑いをする。
だがこんなに大きな声を出しても、ヴィータが起きる気配は無い。
そしてシャマルも、マジックを手に取る。
「私はここに……」
シャマルはヴィータのTシャツをめくり、おへそを中心にして太陽を書いた。
「これでよしっと」
マジックの蓋を閉めると、シャマルをどっかに行ってしまう。
「うーん……」
暫くして、ヴィータが起きる。
しばらく目を擦りながら、ぼーっとしてた。
不意にお腹が鳴る。
どうやら空腹らしい。
「お腹空いた……」
ヴィータがぼそっと言うと、ふらふらと立ち上がってキッチンの方に向かう。
キッチンにははやてが、夕飯の支度をしていた。
「はやてー、お腹空いたー」
ヴィータの声にはやては振り向く。
「もう少しで、ぷっ」
はやてはヴィータの顔見て噴出す。
「どうした? はやて」
「くくくっあはははは」
声を抑えきれず、爆笑してしまう。
「はやて?」
「なんや、その顔は」
はやての爆笑は止まらない。
「顔?」
ヴィータは冷蔵庫の扉にかけてあった鏡を見る。
「なんじゃこりゃ!」
ヴィータが叫ぶ。
「何かあったか」
その叫びを聞いて、シグナム、シャマル、リインがキッチンに駆けつける。
そしてヴィータを顔を見て、はやて同様爆笑した。
「くそ、誰だよやったのは!」
ヴィータが切れる。
だが落書きされた顔では、迫力に欠けていた。
そしてシグナム、シャマル、リインは顔を背ける。
「お前らか、お前らがやったのか!」
「私は額に模様を書いただけだ」
シグナムは正直だった。
「私はひげと丸を描いたです、旨くできたですよ。やっぱりヒゲにしておけばよかったですか?」
リインが笑いながら答える。
そういう問題は出は無い。
「わ、わたしはやってないわよ」
シャマルが否定する。
まぁ確かにやってはいない、顔には。
だがシャマルが思わず、ヴィータのおへそ辺りに視点を落としてしまう。
「ま、まさか」
ヴィータがシャツをめくると、ヘソに輝く太陽の落書きがあった。
「あはは……」
シャマルが笑ってごまかす。
「そうか、そうかよ……だったらお前らにも同じことをしてやる」
ヴィータの手にはいつの間にかマジックが握られていた。
「まずはシャマルからだ!」
そう言うと、シャマルに飛び掛る。
「あ、ちょっとヴィータちゃん」
問答無用である。
そしてキッチンはさながら、戦場のようになってしまった。
「こりゃ、今日の夕飯は遅くなりそうやな」
大混乱のキッチンから抜け出したはやては、その大乱闘ヴォルケンシスターズな状況を眺めていた。
「とりあえずうちのはバレんでよかったわ」
はやてが呟く。
ちなみにこの大混乱は、三人とも顔や体に落書きされることで一旦は終止符が打たれた。
だがヴィータがお風呂に入ったとき、再び起こることになる。
弐師 | 短編SS | 20:38 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
○○○の恨みは怖い
「はぁ、なるほどなぁ」
はやては二人の姿と、テーブルに置かれているプリンを見て納得した。
二人は一個のプリンを争っているのだ。
「もう一個買ってくればええやないか」
「そうなんですが、あのプリンは一日40個限定ですので今からじゃ買えるわけもありませし……」
「そしてこの二人で仲良く食べるなんてことも出来んわなぁ」
はやてが笑う。
「とりあえず、止めないと。あ、あのね」
さらに熱気と冷気を強めていく二人を、シャマルが止めようとする。
「だまってろ!」
「シャマルには関係ないです! このわからずやに今日こそは分からせてやるです」
「なんだよ、このチビ!」
「チ、チビって、背の高さは同じですよ!」
「へへーん、あたしの方が少し高いぜ」
「きー、むかつくです」
けんもほろろもである。
「はやてちゃぁん」
シャマルがはやてに泣きついた。
もう頼れるのは、はやてしかいない。
「わかったわ、うちにまかしとき」
とはやてが、仲裁に乗り出そうとした。
だがその時今度は、ヴィータが現れた。
「はやて、お腹すいたー…… あ、プリンあるじゃねーか」
空気を読めないのか、そもそも読む気がないのかわからないが
すたすたと歩いて、テーブルの上のプリンまで一直線で進む。
そしてむんずとプリンの容器をつかむと、ビニールの蓋を開けてスプーンでパクりと食べた。
「お、これうめーな。お?」
ここで初めて、アギトとリインの普通じゃない状況に気が付いた。
「どうしたお前ら。なんだよそんな怖い目をして。おいおい、なんだよその火柱と氷柱は。それをあたしにぶつけるつもりか。ちょっとまて、そのデカさは怪我じゃすまないじゃ…… おい、だからやめっておいぃ!」
「シャマル、はよう結界と防御魔法を!」
「はい! でも間に合わな」

ちゅどーん

今日も八神家は平和だった。
弐師 | ○○○の恨みは怖い | 23:48 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ヴィヴィオ insid
弐師 | らくがき | 17:14 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
シグナムさんは五月病
「スバル早く走りなさいよ」
「ふぇ…」
 スバルとティアナが、朝から全力疾走していた。
「まだ、眠いよティアぁ…」
 スバルが大きなあくびをしながら、ティアナに引っ張られるように走っている。
「何言ってるのよ、朝の訓練の時間に遅れるわよ。大体今日は、キャロとエリオは休みで教官はシグナム副隊長しかないよ。遅れたらどうなるか、あんたわかる?」
「うーん、ぼこぼこかなぁ…」
「そうよって、あんたはもっと深刻になりなさいよっ」
 ティアナがスバルの胸ぐらを掴んで、激しく揺さぶる。
「ティアナ、頭がシェイクされるー。脳みそが砕けた豆腐になっちゃうぅ〜」
 揺さぶられながら、あうあうと答える。
「あんたは、それくらいで十分よっ」
「でも、こんなことしてると遅刻しちゃうよ」
「あ、そうだ。ほらスバル」
 ティアナは胸ぐらを掴んだまま走り出した。
「つかむなら手にしてよ。く、首がしまるぅ〜」
 スバルの悲鳴をドップラーしながら、二人は訓練場所まで疾走した。
「なんとか間に合ったわね」
 だがスバルの返事はない。
「どうしたのスバル?」
 ティアナがスバルの方を向く。
 スバルは伸びていた。首を締め付けられながら、走らされたのだ。酸欠で目を回すぐらい当然だろう。
「スバル、しっかりしなさい」
「あ、ティア。おはよう」
 どうやら大丈夫らしい。
「時間にはぎりぎり間に合ったし、そろそろシグナム副隊長も来るはずだけど…」
「ティア、あれ…」
「なによ」
 スバルが指差した方向を見た。
「何あれ…」
 二人の思考はしばらく停止した。
 何故ならそこには、シグナム人形がちょこんと置かれていたからだ。ご丁寧に代理のプラカードも下げている。
「シグナム副隊長… 一晩でだいぶ変わっちゃったね」
「ちがうわよ、あれは人形よ」
「だよ、ね。どしようかティア…」
「なのはさんもフェイト隊長もいないし、はやて部隊長も外出中だったわね…」
 ティアナが少しだけ考える。
「そうだ、ヴィータ副隊長に聞いてみましょう」
「そうだね、っとこれは持ってっと」
 スバルはシグナム人形を拾う。そして二人はヴィータを探しに、六課宿舎に向かった。
 ヴィータは食堂で朝ご飯を食べているのを、あっさり見つけることができた。
「ああぁ、シグナムが訓練に来ねぇって」
 ヴィータが朝ご飯のサンドイッチ食べなら答える。
「そしてこれが在って」
 スバルがシグナム人形を見せる。
「ブハッ」
 ヴィータが盛大に吹いた。
「な、なんだよそれ」
 ヴィータが笑う。食堂には他の局のメンバーもいるのだが、そんなことはまったく気にしていない。
「じゃあ、シグナムの部屋に行ってみるか」
 そして散々笑った後、ヴィータが立ち上がる。ティアナはヴィータに付いて行こうとするが、スバルが動かない。
「何してるよ、行くよスバル」
「お腹すいたなぁ」
 スバルが食堂のメニューを物欲しそうに見ている。
「行くわよ」
「やっぱ朝ケロリーメイトだけじゃ足りないぃ」
「ほら行くわよ」
「朝ご飯…」
 スバルはティアナに引きずれ、ヴィータに続いていた。
「おい、シグナムいるか」
 ヴィータ達はシグナムの部屋にたどりつき、現在ヴィータがシグナムの部屋のドアを叩いているのだが反応が無い。
「気配はあるんだけどな、おいシグナム」
 やはり返事はない。
「しょーがねな。ちょっと中入ってくるわ」
 ヴィータがグラーフアイゼンを起動し、構える。
「おめーら、ちょっと離れてろ」
 するとヴィータがシグナムの部屋のドアをぶっ壊した。
「おら、シグナム」
 そのままずかずかと、ヴィータがシグナムの部屋に入る。それをティアナとヴィータが唖然と見ている。
「シグナム、ほら起きろ」
 ドカッと何かを叩きつぶす音が聞こえてくる。
「何、働きたくないでござるだと? どこの時代劇の浪人かぁ。さっさと起きろよ」
 バコッと音が聞こえてきた。
「あ、朝まで時代劇見ててだるいだって。あぁ?」
 ドカバキという何かをぶちのめす素敵な音が、部屋から響いてくる。しばらくして、ヴィータが出てきた。
「しばらくしたら、来ると思うからおまえから訓練場所でまってろ。何をあっても引っ張って行くからな、たとえ手足が一、二本無くなっててもな」
 ヴィータが歯を見せてニヤっと笑う。
「あ、はい」
 二人はおびえながらも、再び訓練場所に戻った。
 訓練場所にもどってしばらくした後に、シグナムが現れた。顔に多少のアザがあるより、目が魚の死んだ目のようになっているのが二人は驚いた。
「では、訓練を始める」
 声にも張りが無い。
「では、ここらへんを百週ほどしてこい。私は部屋で寝ている」
 と、いきなりシグナムが帰ろうとする。
 だがそのとき、シグナムの前に何かが着弾した。土煙を巻き上げて、それがめり込む。
 シグナムの目の前に落ちたのは、ヴィータのシュワルベフリーゲンだ。どうやら近くで監視しているらしい。
 三人はしばらく停止する。
「と、思ったが模擬線にする」
「あ、はい」
「はい」
 シグナムとティアナ、スバルが距離をとる。
「レヴァンティン、カートリッジロード」
 シグナムにレヴァンティンが答え、カートリッジをロードする。
「え」
「あの…」
 いきなりのことで、ティアナとスバルがきょとんとする。
「紫電一閃」
 レヴァンティンから放たれた炎が、ティアナとスバルを黒こげにする。二人はけふぉっと煙を吐いて倒れた。
 どうやらシグナムはさっさと、訓練を済ませたかったらしい。
「な、なんで」
 スバルが一瞬復活したが、そのままぱったりと倒れた。


 次の日、ティアナとスバルがまた走っていた。
「まったく進歩の無いんだから」
「でも今日はティアの方が遅く起きたじゃん」
「う、うるさい。今日も二人しかいないんだから、遅れるわけにはいけないのよ。ほら走るわよ」
「ふわーい」
 眠そうなスバルを引っ張り、ティアナが全力で訓練場所に向かう。
「ふぅ… 間に合ったわね。今日はヴィータ副隊長だけど…」
「あの、ティア…」
 スバルが指さした、そこにウサギの人形がある。そして首に掛けたプレートにヴィータ代理と書いてる。
「「おまえもか!」」
 二人の空しい叫び声が、辺りに響き渡った。
弐師 | シグナムさんは五月病 | 16:14 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
すべては我が主のために
 強制スリープの状態から覚醒していくのを感じた。
『Reactivation(再起動)』
「お目覚めね、マッハキャリバー」
 メンテナンス用の装置の中で、待機モードで浮いているマッハキャリバーに向けて、シャーリーが声をかけていた。
『Good morning(おはよう)』
「とりあえず基礎フレームだけ修理しただけだから、他の損傷はそのままなの。こっちで損傷部分のチェックはしてるけど、一応自己診断しておいて」
 待機モードのマッハキャリバーには、幾つかの亀裂が走っており完全修復を終えていないのは、見るからに明らかだった。
『Yes,Mam(了解)』
 自己診断プログラム起動
 自分の中でマッハキャリバーがつぶやく。
 基本部分からオプション部分まで、数百はある項目を一つ一つチェックしていく。
 診断の結果、基本部分のついての修復はほぼ終わっていた。しかし他の部分の修復は終わっていなかった。今度は損傷部分についての診断、原因分析を開始する。
大小問わず、損傷は多岐に渡っていた。ローラー部などの駆動部分は、オーバーロードにより焼ききれ再始動は不可能、その中でも特にひどいのは外部フレームだった。外部フレームの損傷をさらに分析、診断する。一部は原型をとどめないほど、ひしゃげている。この状態では通常モードでの走行はおろか、ブーツとしての機能すらない。
 損傷の原因はいたって簡単だった。
 内部からの強い衝撃。
 外部からではない、内部からの強い衝撃。
 自分はマスターの、打撃に耐えることが出来なかったのだ。
 そう自分はマスターの期待に答えることが出来なかった・・・
 さらに分析を続ける。
 衝撃は想定されていたものにくらべて、魔力、物理ともの大きく超えていた。自分自身が砕けなかったのが不思議なぐらいだ。
 自分はマスターの打撃に耐えることが出来なかった。
 マッハキャリバーは自分の中で何度も繰り返していた。
 これでは自分はマスターの役に立つことは出来ない。マスターのために砕けるのは構わない、だが気を使って全力を自分に委ねてもらえないのは悔しい。相棒として情けないのではないのか。
 マッハキャリバーは落ち込んでいた。インテリジェントデバイスであるマッハキャリバーは、思考することが出来る。そしてそれは感情があるとも言えるのである。今マッハキャリバーは落ち込むのを止め、自分はどうするべきかを考えていた。
参考になるデータは無いかと、施設内にある外部記憶装置にアクセスする。膨大にある情報を一つ一つ閲覧していった。デバイスの改造や製造、修理の履歴などが保存されていた。その中に見たことあるデバイス名があるのを見つけた。
 レイジングハート
 バルディッシュ
 マッハキャリバーはそのデータを閲覧する。
 闇の書事件と呼ばれる事件の際、現在のスターズ分隊副隊長であるヴィータ副隊長との戦闘により大破。バルディッシュは現在のライトニング分隊副隊長であるシグナム副隊長との戦闘により大破。その後修理とデバイスからの提案よりベルカ式カーリッジシステムを採用。
 簡潔に書かれた文章の中の一文に、マッハキャリバーは気になる一言を見つけた。
『デバイスからの提案により』
 レイジングハートとバルディッシュは自らカートリッジシステムを搭載することを選んでいたのだった。
 今なら自分にも分かる、レイジングハートとバルディッシュも悔しかったのだ。主の期待に答えることが出来ず、デバイスの性能で負けたことが。そして二人で考えた結果、自分自身の改造、ベルカ式カートリッジシステムの危険性を知りながらも搭載することを強く望んだのだ。
 自分はどうするべきか、答えはもう出ていた。
 マッハキャリバーは自分の設計図を、自分の記憶領域に展開する。青い線で書かれたマッハキャリバーの展開図が表示されていた。
 分析の結果、破損の原因は強度不足が主だった。であれば改造のポイントはただ一つ、主をすべて受け止めるための頑丈が体、全体的な強度の向上である。
 部品や素材を一つ一つ見直し、重量や強度などの観点からバランスの良いものを選んでいく。実践で得たデータも考慮し、効率の悪いものは改良し必要だと思われるオプションを追加していった。
 主が全力を出せる体を!
 マッハキャリバーの思いは徐々に形になっていった。
「では、修理を始めるわね」
 シャーリーがマッハキャリバーの前に座り、目の前のコンソールパネルの操作を始める。そのうちふとマッハキャリバーの様子が少しおかしいのに気がついた。
「どうしたの?」
 シャーリーがマッハキャリバーに問いかける。
『Please look at this(これを見てください)』
 シャーリーの目の前に、デバイスの設計図が表示される。マッハキャリバーの強化プランだった。
「これ、あなたが考えたの」
『Yes』
 シャーリーがじっくりと設計図に目を通す。強度向上に重点を置かれた強化プラン、悪くは無い。
「確かに強度は今までにないぐらい上がっているわね、でもコレだと重量は前の2倍以上、魔力消費も結構上がってるわよ。この重量はさすがに厳しくない?」
『After it agrees, it does. However, if it is mastering, it is possible to master it absolutely(承知の上です。ですがマスターなら絶対に使いこなせます)』
シャーリーはマッハキャリバーのマスターへの、強い信念を感じたような気がした。
「わかったわ、スバルの了解は必要だけど私は賛成よ。あとこの設計だともう少し煮詰めれそうね。私も手伝うわ」
『Thank you』
 そして二人は、夜遅くまで強化プランについて検討していた。
弐師 | すべては我が主のために | 22:42 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
祝福の風?
「これは・・・」
 目の前がぼーっと光っている。
 私は今寝ているはず・・・そうかこれは夢なのですね。
 リインフォース兇海肇螢ぅ鵑鰐瓦涼罎拝譴。不意に鈴の音が辺りに響き渡った。すると目の前の光に何かの映像が映し出される。蒼い大型犬、ザフィーラの姿だ。
「青き狼よ」
 どこからか声が聞こえてくる、初代リインフォースの声が。
「どこで教わったか知りませんが、爪を磨ぐのをやめてください。家の壁がえぐれてしまいます」
 ザフィーラはがりがりと、はやての家の壁で爪を磨いでいた。
 映像が変わる、今度はシャマルの姿が映る。
「風の癒やし手よ、それは塩でなく砂糖です。そもそも、何故シチューに塩なのですか? しかもそんなに大量に入れると・・・ あ、今度はあっちの鍋が吹きこぼれています。オロオロしてないで、早く火を止めてください。ああぁ、主はやて、早く帰ってきてください」
 はやての家の台所は大惨事になっていた。
「これは、記憶映像・・・」
 また映像が変わる、そこにはヴィータの姿が映る。
「紅の鉄騎よ、そのアイスは何個目ですか? しかもそのアイスは一人用のカップアイスではなく、家族用の大きいやつですよ。同じ味が飽きたのかわかりませんが、ウェアハースやチョコチップなどのトッピング掛けてまで食べないでください。そんなに食べては夕飯が入らなくなる、というかお腹壊します。だからその辺で食べるのをやめてください」
 はやての家のリビングは、アイスの殻が散乱していた。また映像が変わる、
今度はシグナムの姿が映し出された。
「烈火の将よ。外で素振りをするのは構わないですが、もう少し人目を気にしてください。いくら夜中とはいえ、まだ他の家には明かりが燈っています。それにいつも見ている時代劇影響されているかわかりませんが、おかしな形になっています。レヴァンティンで円の形を描いて何をするつもりですか。ほら、通りすがりの子供がいぶかしげに見ています。だからやるなら誰も見てないところでやってください。主はやてにおかしな評判が立ってしまいます」
 はやての家の庭で、シグナムが怪しい空間を演出していた。さらに映像が変わる。こんどははやてだ。
「主はやてよ、何を見て悩んでいるのですか・・・そうですか家計簿ですか。たしかに家族が一気に増えたので苦しくなっているのはわかります。私がお役に立てればいいのですが・・・その家計簿に書かれている大量のお菓子代はなんですか、主にアイスってことは紅の鉄騎ですね。あまり甘やかすのはよく無いかと・・・このなんとか侍のDVDボックスというのは烈火の将の買い物ですか、家計が苦しいのがわかっているのですから買ってあげることは無いと思うのですが・・・このやたらと多い修理代の原因は風の癒やし手ですね、ガスレンジ全損、電子レンジ爆発・・・って一体何を暖めてたのですか、風の癒やし手よ・・・その動物病院の予防接種は・・・青き狼ですか。主はやてよ、青き狼をどう思っているのですか、というか大人しく予防接種うけた青き狼もどうかと思いますが・・・ああぁ主はやてよ、そんなに頭を抱えないでください。一人で抱え込まず、ちゃんと騎士たちと相談してください」
 はやての家のはやての部屋で、家計簿を見てため息つくはやての姿があった。
「これは私が見守っていた、主はやてと守護騎士達の生活の姿だ。私はこれから消えることになるが、どうしてもしても不安なのもう一つの記憶映像を残す」
「やはり、これは記憶映像なのですね」
 リインが呟く、なんとなく力なく。
「戦闘では頼もしい守護騎士達であるが、私生活ではどっか抜けている。というかこれは暴走に近い。また主は一人で問題を抱えむことが多い。私の名を告いでくれた、新しき祝福の風に頼みがある。」
「はい」
 リインが応える、が記憶映像であるため意味はない。
「主はやてを助けてほしい、これは当然であるのはわかっていることだろう。問題は守護騎士達の暴走を止めてもらいたい。本当であれば私がその役目だったのだが、私はもうこれはらその役目を果たすことは出来ない」
 少しの間、沈黙が支配する。
「新しき祝福の風よ」
 静かに、初代リインフォースが話し始める。
「はい」
 リインが返事をする。
「私は願うことしか出来ない、後の者に宿題を残していくようで申し訳ない。だがお前にしか出来ないのだ。頼まれてくれるだろうか」
「はい」
 リインが力強く応える。そして目が覚める。
「ううーん」
 起き上がり軽く伸びをする。寝ていたのはお出かけバックの中、リインは移動中に眠ってしまったことを思い出した。リインはお出かけバックから出る。
「お、はやて起きたか」
 リインが起きたとに気がついた、ヴィータが真っ先に声を掛ける。
「はい、おはようです」
「リイン起きたか、そろそろ食事の時間だ。相変わらずタイミングがいい」
 シグナムが料理を運んで、テーブルに運んでいる。
「私も手伝うです」
 リインはふわふわを飛び上がり、食事の配膳を手伝う。そこにはやてやシャマル、ザフィーラも集まり珍しく全員そろった食事が始まる。いつもと変わりのないリインがそこにあった。
 実はリインは先ほどの記憶映像のことなど、綺麗さっぱり忘れていた。夢は記憶に残りずらいとはいえ、本当に見事なほど覚えていなかった。
 騎士達の暴走にも、リインは笑ってみていた。
 はるか空の彼方で、初代リインフォースが頭を手で押さえて首を振っている姿が思い浮かぶようだった。
弐師 | 祝福の風? | 22:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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