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すべては我が主のために
 強制スリープの状態から覚醒していくのを感じた。
『Reactivation(再起動)』
「お目覚めね、マッハキャリバー」
 メンテナンス用の装置の中で、待機モードで浮いているマッハキャリバーに向けて、シャーリーが声をかけていた。
『Good morning(おはよう)』
「とりあえず基礎フレームだけ修理しただけだから、他の損傷はそのままなの。こっちで損傷部分のチェックはしてるけど、一応自己診断しておいて」
 待機モードのマッハキャリバーには、幾つかの亀裂が走っており完全修復を終えていないのは、見るからに明らかだった。
『Yes,Mam(了解)』
 自己診断プログラム起動
 自分の中でマッハキャリバーがつぶやく。
 基本部分からオプション部分まで、数百はある項目を一つ一つチェックしていく。
 診断の結果、基本部分のついての修復はほぼ終わっていた。しかし他の部分の修復は終わっていなかった。今度は損傷部分についての診断、原因分析を開始する。
大小問わず、損傷は多岐に渡っていた。ローラー部などの駆動部分は、オーバーロードにより焼ききれ再始動は不可能、その中でも特にひどいのは外部フレームだった。外部フレームの損傷をさらに分析、診断する。一部は原型をとどめないほど、ひしゃげている。この状態では通常モードでの走行はおろか、ブーツとしての機能すらない。
 損傷の原因はいたって簡単だった。
 内部からの強い衝撃。
 外部からではない、内部からの強い衝撃。
 自分はマスターの、打撃に耐えることが出来なかったのだ。
 そう自分はマスターの期待に答えることが出来なかった・・・
 さらに分析を続ける。
 衝撃は想定されていたものにくらべて、魔力、物理ともの大きく超えていた。自分自身が砕けなかったのが不思議なぐらいだ。
 自分はマスターの打撃に耐えることが出来なかった。
 マッハキャリバーは自分の中で何度も繰り返していた。
 これでは自分はマスターの役に立つことは出来ない。マスターのために砕けるのは構わない、だが気を使って全力を自分に委ねてもらえないのは悔しい。相棒として情けないのではないのか。
 マッハキャリバーは落ち込んでいた。インテリジェントデバイスであるマッハキャリバーは、思考することが出来る。そしてそれは感情があるとも言えるのである。今マッハキャリバーは落ち込むのを止め、自分はどうするべきかを考えていた。
参考になるデータは無いかと、施設内にある外部記憶装置にアクセスする。膨大にある情報を一つ一つ閲覧していった。デバイスの改造や製造、修理の履歴などが保存されていた。その中に見たことあるデバイス名があるのを見つけた。
 レイジングハート
 バルディッシュ
 マッハキャリバーはそのデータを閲覧する。
 闇の書事件と呼ばれる事件の際、現在のスターズ分隊副隊長であるヴィータ副隊長との戦闘により大破。バルディッシュは現在のライトニング分隊副隊長であるシグナム副隊長との戦闘により大破。その後修理とデバイスからの提案よりベルカ式カーリッジシステムを採用。
 簡潔に書かれた文章の中の一文に、マッハキャリバーは気になる一言を見つけた。
『デバイスからの提案により』
 レイジングハートとバルディッシュは自らカートリッジシステムを搭載することを選んでいたのだった。
 今なら自分にも分かる、レイジングハートとバルディッシュも悔しかったのだ。主の期待に答えることが出来ず、デバイスの性能で負けたことが。そして二人で考えた結果、自分自身の改造、ベルカ式カートリッジシステムの危険性を知りながらも搭載することを強く望んだのだ。
 自分はどうするべきか、答えはもう出ていた。
 マッハキャリバーは自分の設計図を、自分の記憶領域に展開する。青い線で書かれたマッハキャリバーの展開図が表示されていた。
 分析の結果、破損の原因は強度不足が主だった。であれば改造のポイントはただ一つ、主をすべて受け止めるための頑丈が体、全体的な強度の向上である。
 部品や素材を一つ一つ見直し、重量や強度などの観点からバランスの良いものを選んでいく。実践で得たデータも考慮し、効率の悪いものは改良し必要だと思われるオプションを追加していった。
 主が全力を出せる体を!
 マッハキャリバーの思いは徐々に形になっていった。
「では、修理を始めるわね」
 シャーリーがマッハキャリバーの前に座り、目の前のコンソールパネルの操作を始める。そのうちふとマッハキャリバーの様子が少しおかしいのに気がついた。
「どうしたの?」
 シャーリーがマッハキャリバーに問いかける。
『Please look at this(これを見てください)』
 シャーリーの目の前に、デバイスの設計図が表示される。マッハキャリバーの強化プランだった。
「これ、あなたが考えたの」
『Yes』
 シャーリーがじっくりと設計図に目を通す。強度向上に重点を置かれた強化プラン、悪くは無い。
「確かに強度は今までにないぐらい上がっているわね、でもコレだと重量は前の2倍以上、魔力消費も結構上がってるわよ。この重量はさすがに厳しくない?」
『After it agrees, it does. However, if it is mastering, it is possible to master it absolutely(承知の上です。ですがマスターなら絶対に使いこなせます)』
シャーリーはマッハキャリバーのマスターへの、強い信念を感じたような気がした。
「わかったわ、スバルの了解は必要だけど私は賛成よ。あとこの設計だともう少し煮詰めれそうね。私も手伝うわ」
『Thank you』
 そして二人は、夜遅くまで強化プランについて検討していた。
弐師 | すべては我が主のために | 22:42 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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